Windowsのクリップボードとは?|履歴・同期機能と便利な使い方を解説

コピー&ペーストは、パソコン操作で最もよく使う基本操作のひとつです。
ただ、便利な反面、何度もウィンドウを行き来してコピーと貼り付けを繰り返すのは、意外と手間のかかる作業でもあります。

そんな煩わしさを解消してくれるのが、Windowsに標準搭載されている「クリップボード」機能です。
クリップボードを使えば、コピーした履歴を一覧で管理でき、過去にコピーした内容をさかのぼって貼り付けることができます。
特にWindows 10以降ではこの機能が大きく進化し、使い勝手が向上しました。

この記事では、クリップボードの基本的な仕組みから、履歴の使い方、ピン留め機能、複数のデバイス間での同期方法までをわかりやすく解説します。
クリップボードを使って、作業効率を見直してみましょう。

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目次

1. クリップボード機能を有効にする方法

まずは、クリップボードの機能を有効にします。
初期設定では、この機能が無効になっていることがあります。

🔧 クリップボード履歴を有効にする手順

スタートメニューから、「設定」→「システム」→「クリップボード」を開きます。
「クリップボード」の設定項目から、「クリップボードの履歴」をオンにします。

クリップボード機能を有効にする設定

これで、クリップボード機能が使えるようになります。

この機能は、Windows10以降で利用可能です。
それ以前のものでは対応していません。

それでは、次の項目で基本的な使い方を見ていきましょう。

2. クリップボードを使ってコピー&ペーストする方法

では、クリップボードの基本的な使い方を確認しましょう。
基本操作は、コピーしてペーストするだけです。
ただし、ペーストの操作が、通常のコピペのショートカット(Ctrl + V)とは異なります。

ひと通りの操作手順を確認しましょう。

✂️ コピーするとき

コピーは、通常のコピー操作(Ctrl + C)で行います。
またクリップボード機能をオンにしても、通常のペースト操作(Ctrl + V)も行うことができます。

🧩 クリップボード履歴から貼り付ける

まず、クリップボードの呼び出し方を確認しましょう。
ペースト位置にカーソルを合わせて、(Windows + V)でクリップボードが起動します。

クリップボードを開く方法

クリップボードには、それまでにコピーした内容が最大25個まで保存されていて、古いものから消えていきます。
この一覧から、コピーしたいものを「↑/↓」で選んで、エンターキーで決定します。
そうすると、選んだ内容がペーストされます。

クリップボードの便利な点は、コピーしたいものをいったん溜め込んでおけるところです。
何度も操作する際に、ウィンドウも行き来することなくコピー作業をすることができます。

また、繰り返し作業をする際にも、同じテンプレの内容があれば、都度コピー元を参照する手間を省くことができます。

クリップボードに保存されるもの

クリップボードは、テキストの他に画像のコピー履歴も保存することができます。

クリップボードの履歴

3. よく使う内容をピン留めして保存する方法

クリップボードの履歴は、PCを再起動をすると消えてしまいます。
ここでの保存は、一時的なものになります。

そこで、再起動しても履歴を保持したいときに「ピン留め」機能を使います。
ピン留めをすると、手動で消さない限り履歴の中に残ります。

ピン留めはひとつづつ、手動ですることができます。
やり方を確認していきましょう。

📌 ピン留めをする方法

「クリップボード」を開いた画面で、保存したい内容の右側の「ピン」のアイコンをクリックします。
ここで選んだものが、ピン留めされて履歴に残っています。

クリップボードでピン留めをする方法

再起動して、再度クリップボードを確認すると、ピン留めアイテムが消えずに残っています。

ピン留めアイテムの状態

ピン留めを解除するには、ピン留めの時と同じように、「ピン」のアイコンをクリックします。
元の白色に戻っていたら、解除完了です。

ログイン情報やパスワードなどは、よく使う内容のひとつですが、セキュリティの観点から「ピン留め」で残しておくのはおすすめできません。
パスワードや個人情報の管理には、パスワード管理ソフトを利用して安全な方法で保管するようにしましょう。

4. デバイス間でクリップボードを共有する方法

Windowsのクリップボードは、同じMicrosoftアカウントでログインしている複数のPC間で共有することができます。
これを有効にすると、たとえばデスクトップPCでコピーしたテキストを、ノートPCで引き継くこともできます。

では、共有の方法を確認しましょう。
まずは、「デバイス間の共有」の設定を有効にする必要があります。

🔧 共有を有効にする設定

スタートメニューから、「設定」→「システム」→「クリップボード」を開きます。
「デバイス間の共有」の「開始する」をクリックします。

クリップボードでデバイス間の共有を有効にする設定

次に、Microsoftアカウントの認証画面が表示されるので、指示通りに設定を完了します。

Microsoftアカウント認証
💡 同期設定の「自動/手動」とは?

設定が有効になると、以下の詳細設定が選べるようになります。
コピーしたテキストを自動的に同期する
コピーしたテキストを手動で同期する

クリップボード同期の設定

自動で同期とは:コピーした内容が、即座に他のデバイスに反映される設定です。
手動で同期とは:クリップボードの履歴から、手動で同期したい項目を選ぶ設定です。

手動で同期する方法

手動で目的のものだけ共有したい場合は、「コピーしたテキストを手動で同期する」にチェックを入れます。
この設定をすると、「クリップボード」に「同期」アイコンが表示されるようになります。

そのうえで、同期の手順を確認しましょう。
「クリップボード」の履歴から、各アイテムの右側の「…」をクリックします。

すると、雲のアイコンが確認できるので、これをクリックすると同期が開始します。

クリップボードの同期アイコン

同期ができるのは、同じMicrosoftアカウントでログインしたデバイス間のみです。
なので、オフライン状態では同期されません。インターネット接続が必要になります。

5. クリップボードの履歴を削除する方法

コピーした内容は、一時的にクリップボードの履歴として保存されます。
この履歴は、デバイスを再起動またはシャットダウンするまで保持されますが、それ以降は自動的に削除されます。

ここでは、デバイスを使っている途中で履歴を手動で削除する方法を解説します。

🔧 履歴の削除方法

スタートメニューから、「設定」→「システム」→「クリップボード」を開きます。
「クリップボードのデータをクリア」の[クリア]ボタンをクリックします。

設定からクリップボード履歴を削除する方法

これで履歴がすべて削除されます。

🧩 クリップボード履歴画面から削除する方法

(Windows + V)で開く「クリップボード」からでも削除が可能です。
履歴がいくつかある場合、「すべてクリア」のボタンが表示されています。

これをクリックすると、「設定」でのクリアと同様の操作ができます。

クリップボードから直接履歴を削除する方法
📌 ピン留めした項目について

ピン留めされたアイテムは、削除操作を行っても残っています。
それも含めて削除する場合は、ピン留めを外したうえで「クリア」操作をします。

☁️ 同期したアイテムの削除について

また、同期設定をしている場合、どちらか一方を削除しても他のデバイスには反映されません。
完全に削除したい場合は、同期したすべての端末で同様の操作を行うようにしましょう。

忘れていってしまっても、大切にした気持ちだけ思い出すことがあるよ

6. まとめ

クリップボードは、コピー&ペーストをスムーズにするだけでなく、履歴ピン留め同期などの便利な機能が搭載されたツールです。

履歴機能:過去のコピー一覧を呼び出して再利用できる
ピン留め機能:よく使う内容を固定して、すぐに呼び出せる
同期機能:複数のPCでコピー内容を共有できる

地味な機能ですが、使いこなせると作業効率がアップします。
「Windows + V」を作業の中で、取り入れてみてください。

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